石川ISHIKAWA
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昔ながらの農法で守られる、能登半島の棚田
日本海に大きく突き出した、石川県北部の能登半島。伝統的な農林漁法や豊かな里山の景観が守り伝えられる稀有な土地で、2011年には「能登の里山里海」として日本で初めて世界農業遺産に認定されました。
そんな能登半島を象徴しているのが、映像にも登場する白米千枚田。急傾斜に1004枚もの棚田が重なり合いながら、海岸まで続いています。水田一面あたりの面積は非常に小さく、約18㎡。耕運機を入れることができないため、今でも昔ながらの手作業で米づくりが行われています。棚田と海が織りなす緑と青のコントラストは、日本の原風景のひとつです。
波打ち際を駆け抜けるリアライズトレーラー
石川県の道でもっとも有名なのは、車が走れる日本で唯一の砂浜・千里浜なぎさドライブウェイでしょう。能登半島の西側、付け根の部分に伸びる約8kmのビーチで、きめの細かい砂の一粒一粒が海水を含んで引き締まっているため、リアライズトレーラーのような大型車でも走行可能。潮風を受けながら波打ち際を走るひとときは、ほかでは味わえない爽快感です。
また、能登半島の東岸には周囲72kmの小さな能登島が浮かんでいます。この島と半島をつなぐツインブリッジのとも、気持ちのいいドライブウェイ。能登島大橋とともに、島と半島とのアクセスを支えています。
一年以上かけて完成させる、堅牢で優美な輪島塗
石川県の特産品としては、国の無形重要文化財に指定されている漆器・輪島塗がよく知られています。
強度を高めるために「地の粉」という焼成珪藻土を漆に練り合わせて数回塗り、さらに壊れやすい部分に布を貼る「布着せ」を行うのが輪島塗の特徴。優美な装飾は、模様を彫って金箔や金粉を埋める「沈金」という技法によるものです。全部で120以上もの工程があり、木地乾燥から完成までに1年かかることも珍しくありません。
撮影は100年近い歴史をもち、輪島市内でも屈指の規模を誇る株式会社五島屋で行いました。木地づくりから塗り、沈金まで、正確に作業する職人の手元を捉えています。