山梨YAMANASHI

急峻な山々に囲まれたすり鉢型の土地

山梨県の特徴は、なんといっても総面積の約86%を山地が占めていること。中央の甲府盆地を囲むように、富士山や南アルプスなどの急峻な山々が聳えています。
北部に鎮座するのは、長野との県境にまたがる八ヶ岳。標高2200m以上の山岳が南北およそ30km以上、東西15kmにわたって連なる、日本を代表する連峰のひとつです。
リアライズトレーラーが渡っている黄色い橋は、八ヶ岳南麓から流れ出る川俣川の渓谷に架けられた八ヶ岳高原大橋です。高さ100m、全長は490mあり、周囲の山々を一望できる絶景スポット。トレーラーの背景には、雪をいただいた八ヶ岳の威容を収めました。

清らかな水に恵まれた「天然の水瓶」

山々に降った雨や雪は、伏流水となって甲府盆地に流れ込みます。そのため山梨県は、「天然の水瓶」と称されるほど水が豊富。名水も多く、日本のミネラルウォーター発祥の地として、現在でも日本一の生産量を誇っています。
県内の随所に見られる美しい流れのなかから、今回は南アルプス北端に水源をもつ釜無川を撮影。清らかなせせらぎを、真上から写しました。
また、県内には富士山から噴出した溶岩流が湧水を堰き止めることでできたという富士五湖もあります。映像の最後を飾るのは、5つの湖のなかでもっとも長い湖岸線をもつ河口湖。優美なラインを描く富士山を背景に、リアライズトレーラーが河口湖大橋を駆け抜けます。

江戸時代の技を今に伝える甲州印伝

山梨県には、国が指定した3つの伝統的工芸品があります。そのひとつが甲州印伝。鹿革に漆で模様をつけた加工品で、400年以上の歴史があるといわれています。
撮影を行なったのは、天正10(1582)年創業の老舗である株式会社 印傳屋上原勇七。江戸時代に考案された独自の技法が、口伝によって代々の家長にのみ受け継がれています。
鹿革を筒に貼って藁と松脂でいぶし、自然な色に染め上げる「燻べ」や、鹿革に手彫りの型紙を置き、そこに漆をすり込んで模様を浮かび上がらせる「漆付け」など、ひとつの技術を習得するのに何年もかかるのだそう。熟練の手つきで、それぞれの工程を行なっていきます。